簿記の基本(10)総勘定元帳②
今回は引き続き総勘定元帳の記帳の例を現金販売の例を使って説明します。
1 総勘定元帳
今回の例は¥500の商品を現金で販売したという簡単なものです。
この場合,売上と同時に代金の¥500が入ってきますので,現金が500増加したことはすぐにわかります。その要因はというと売上が増えた(発生した)ということになります。
現金 500 増加
売上 500 増加
この取引では,上記の2つがセットになります。
次に実際の総勘定元帳で示します。
【現金】
日付 相手勘定 摘 要 借方 貸方 残高
×× ×× ×× ×× 800
7/4 売上 現金販売 500 1,300
【売上】
日付 相手勘定 摘 要 借方 貸方 残高
×× ×× ×× ×× 4,000
7/4 現金 現金販売 500 4,500
2 相手勘定
この例では現金と売上の2つがセットになっているわけですが,このとき現金からみて売上が,売上からみて現金が相手勘定となります。
3 借方欄と貸方欄
今回は現金は増加しています。現金は借方(資産のグループ)の勘定科目ですから,増加するときは,その金額を借方の欄に記帳します。
売上は損益計算書の右に記載される収益のグループになりますので,こちらは貸方の勘定科目です。よって増加したときは貸方に,減少したら借方の欄に書きます。今回は増加しているので,貸方に記帳します。
4 残高
最後に残高ですが,現金は借方の科目ですので借方の金額は増加,つまりプラスとなります。ここでは借方に500記帳しましたので,一つ前の残高800に500を足して1300となります。
売上は貸方の科目ですので貸方の金額が増加,つまりプラスとなります。ここでは貸方に500記帳しましたので,一つ前の残高4000に500を足して4500になります。
5 貸借の一致
この例でも借方と貸方に同じ金額が記帳されたことが確認できます。
6 まとめ
【現金】←資産や費用のグループに属する勘定科目(借方科目)
日付 相手勘定 摘 要 借方 貸方 残高
繰越金額 800
×× 売上 現金販売 500 1,300 ←(+)
×× 旅費交通費 タクシー代 300 1,000 ←(-)
(+) (-)
資産や費用のグループに属する勘定科目(借方科目)では借方は増加,貸方は減少です。借方の金額は残高にプラスし,貸方の金額はマイナスします。
【売上】←負債や純資産,収益のグループに属する勘定科目(貸方科目)
日付 相手勘定 摘 要 借方 貸方 残高
×× ×× ×× ×× 4,000
×× 現金 現金販売 500 4,500 ←(+)
×× 買掛金 販売商品の返品 400 4,100 ←(-)
(-) (+)
負債や純資産,収益のグループに属する勘定科目(貸方科目)では借方は減少,貸方は増加です。借方の金額は残高にマイナスし,貸方の金額はプラスします。