簿記の基本(13)仕訳帳①
1 仕訳帳
仕訳を実際に記録した帳簿を仕訳帳(しわけちょう),または仕訳日記帳(しわけにっきちょう)といいます。伝票形式で仕訳伝票(しわけでんぴょう)を使う会社もあります。今回は仕訳帳について説明していきます。
仕訳帳(しわけちょう)は仕訳を取引の発生した日付順に記帳したノート形式の帳簿で,仕訳日記帳とも呼ばれます。形式もいくつかありますが,ここでは2種類ほど示します。
2 一般的な仕訳帳
よく見るタイプの仕訳帳です。中央に摘要欄があり,その左側に借方,右側に貸方を記入します。日付の後が,借方科目,金額,貸方科目,金額,摘要の順番になっているものもあります。基本的に一つの取引を一行で書くことができ,スペースが節約できます。
仕 訳 帳
番号 月日 金額 借方科目 摘 要 貸方科目 金額
1 1/10 350,000 売掛金 商品を掛け販売 売上 350,000
2 1/10 170,000 仕入 商品を掛け仕入 買掛金 170,000
3 1/11 2,000 通信費 切手購入 現金 2,000
4 1/11 60,000 現金 預金から引き出し 普通預金 60,000
5 1/12 20,000 現金 掛け販売預 売上 190,000
170,000 売掛金 (一部現金)
借方,貸方ともに一つの科目からなるシンプルな仕訳では一行で書きますが,最後の5番目の仕訳は借方の科目が2つ,貸方の科目が1つの仕訳です。このときは売上の下の部分は空欄にしておきます。ここは2行で一つの仕訳となります。
3 手書きの仕訳帳
手書きで帳簿を記帳していたときから使われている伝統的な仕訳帳のタイプです。簿記の学習ではこちらを学んでいましたが,現代では多くがコンピュータ化されているため実用性はなくなりつつあります。
仕 訳 帳
月日 摘 要 元丁 借 方 貸 方
1/10 (売掛金) 2 350,000
(売上) 15 350,000
商品を掛け販売
1/11 (通信費) 21 2,000
(現金) 1 2,000
切手購入
この形式の帳簿では一つの取引で3行を使います。
特徴的な点としては勘定科目を摘要欄に書くことです。摘要欄の一行目の左端に借方の科目を書きます。科目にカッコを付けます。摘要欄の二行目の右端に貸方の科目をやはりカッコを付けて書きます。
金額は摘要欄に書いた科目に対応する位置に記入します。
三行目に取引の説明を書きます。これを小書きといいます。その下に下線を引いて次の仕訳との区切りを示します。
元丁とは総勘定元帳のそれぞれの勘定科目に付された番号のことです。簿記ではたくさんの勘定科目を使いますので,勘定科目に番号を付けて参照しやすいようにしています。この番号は会社によって異なります。「元帳」と字が異なりますの注意して下さい。