簿記の基本(14)仕訳帳②
手書きの仕訳帳 の書き方について,複雑な仕訳のケースを説明していきます。一つの仕訳で,借方または貸方,あるいは両方の勘定科目が複数になるタイプの仕訳です。
1 手書きの仕訳帳(貸方の科目が複数ある仕訳)
仕 訳 帳
月日 摘 要 元丁 借 方 貸 方
1/10 (仕入) 諸口 18 150,000
(現金) 1 30,000
(買掛金) 9 120,000
商品を仕入
勘定科目が複数になるときはその一番上に諸口(しょくち)と書きます。諸口にはカッコは付けません。諸口は各仕訳の一行目に書き,同じ行の反対側に相手勘定(一つ目の仕訳の例では仕入)を書きます。諸口と書くことで,仕入の反対側の勘定科目が複数あることを示しています。
2 手書きの仕訳帳(借方の科目が複数ある仕訳)
仕 訳 帳
月日 摘 要 元丁 借 方 貸 方
1/11 諸口 (売上) 15 270,000
(現金) 1 20,000
(売掛金) 2 250,000
商品販売
借方が二つの科目になっていますので,その上の一行目に諸口と書きます。そして,その行の反対側に相手勘定である売上を記入します。この例では貸方の方が一行目に書かれることになります。
3 手書きの仕訳帳(借方,貸方の両方の科目が複数ある仕訳)
仕 訳 帳
月日 摘 要 元丁 借 方 貸 方
1/12 諸口 諸口
(現金) 1 50,000
(売掛金) 2 390,000
(売上) 15 400,000
(仮受消費税) 13 40,000
商品販売
借方と貸方の双方が複数の科目になっています。このときは一行目の左端に借方の科目が複数あることを示す諸口,右端に貸方の科目が複数あることを示す諸口を書きます一行目に諸口が2つ並ぶことになります。そして基本的には借方の科目から先に書き,次に貸方の科目を書いていきます。
4 実務的には
実務的には仕訳であることがわかれば良いので,形式はなんでもかまいません。手書きの仕訳帳の書き方も,伝統的な作法としてはこのとおりですが,実際手書きで記帳を行う場合でも前回で説明したようなシンプルなもので問題ないでしょう。