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簿記や経理の基礎のおはなし

簿記の基本(6)損益計算書

損益計算書(そんえきけいさんしょ)の簡単な例を記します。

1 損益計算書の形式

貸借対照表と同様に,この形式を覚えておきましょう。

〇表題 一番上の中央に損益計算書と書きます。

〇日付 次にその表題の下に日付を書きます。損益計算書貸借対照表と異なり,一定の期間を対象として,その業績をまとめたものなので,期間の最初の日(期首日)と,最後の日(期末日)の両方を書き,××から××までと記します。期首日の前に自(じ,~より),期末日の前に至(し,~まで,いたる)と書く場合もあります。

 (例)

  2021年6月1日から2022年5月31日まで

  自令和3年9月1日 至令和4年8月31日

〇単位 日付を書いた行の右端に単位を記します。大きな会社では千円単位,百万円単位で作成されることもあります。

2 借方と貸方

中央に縦のラインがあり,右側の項目のことを貸方(かしかた),左側の項目のことを借方(かりかた)と呼ぶのは,貸借対照表と同じです。

3 勘定科目

損益計算書に並んでいる各項目は勘定科目(かんじょうかもく)です。これは貸借対照表と同じです。右側,すなわち貸方に並んでいる勘定科目を貸方科目(かしかたかもく),左側の借方に並んでいる勘定科目を借方科目(かりかたかもく)と呼ぶのも同様です。

4 貸方は収益

損益計算書の右側,つまり貸方の勘定科目はその性質から収益と(しゅうえき)というグループになります。最も代表的な収益の勘定科目は売上高(うりあげだか)で,これを一番上に書き,その下にその他の収益のグループに属する勘定科目が並びます。

5 借方は費用

損益計算書の左側,借方の勘定科目はすべて費用(ひよう)といわれるグループになります。費用のグループに属する科目は,すべて借方科目となります。

6 貸借の一致

借方,貸方ともに勘定科目の右側に,金額が記載されます。一番下の行には,借方の合計と貸方の合計が記載されます。この金額を見てわかるように,貸借の合計の金額は一致しています。これも偶然ではなく,必ず一致するようになっています。

貸借が一致するのは,収益の合計金額から費用の合計金額を差し引いた額を当期純利益として借方の一番下の行に記載するからです。

例えば貸方の収益の合計が800万円,借方の費用の合計が700万円とします。これだけでは貸借は一致しません。ここで,800万円から700万円を引くと100万円となりますが,これは収益から費用を引いたもので,これが利益(りえき)となります。

この利益を費用の次に記載することで,貸借を一致させているわけです。

この収益と費用,利益の関係も,計算式は3つ考えられますが,一番上のものが理解できれば,あとの2つはそれを変形させたものにすぎないという点は,貸借対照表のときと同じです。 

 収益 - 費用 = 利益

 費用 = 収益 - 利益

 利益 = 収益 - 費用

ここでも簡単な例題で練習しましょう。

①収益が5000万円,費用が4200万円のとき,純利益はいくらですか。

②収益が14億円,純利益が1億円のとき,費用はいくらですか。

③費用が600万円,純利益が50万円のとき,収益はいくらですか。

(答え)

①5000-4200=800(万円)

②14-1=13(億円)

③600+50=650(万円)

これも計算式で考えるより,次のような簡単な図で考えた方がわかりやすいですね。